第105章 離婚に同意する

中野航平は赤信号をいくつも突っ切り、わずか十分で長谷川栞を最寄りの病院へ叩き込んだ。

「先生、助けてください……! お願いです、彼女を……!」

血の気の失せた長谷川栞を抱えたまま、航平は受付を突き抜けるように駆け込んだ。胸の奥がざわついて、呼吸がうまくできない。こんな感覚は初めてだった。

「どうしました? 患者さんは、何が原因で意識を失ったんですか」

対応に出た医師は、航平の剣幕に一瞬たじろいだ。急性の発作か何かだと思ったのだろう。

ところが検査の結果は、貧血と睡眠不足による低血糖――それだけだった。

「……本当に、それだけですか? 顔色がこんなに悪いのに、他に異常はないんですか...

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